研究する麻酔科

研究について

当講座では神経系を中心とした基礎研究を行っています。主に、脳損傷や脳梗塞、敗血症に伴うせん妄や神経炎症等について、グリア細胞を中心とする神経免疫の観点から研究を行っています。当講座の大学院生は、これまで分子細胞生理学講座や免疫学講座等において研究に従事してきました。私をはじめ各卒業生が研究を指導しつつ、2025年4月1日より、分子細胞生理学講座より当講座に迎え入れた2名の新たな基礎研究者を中心に、さらに基礎研究を発展させていくための体制を取っております。現在の大学院生2名は免疫学教室において研究を行っておりますが、今後の大学院における進路として、これまでのように基礎系教室でどっぷりと基礎研究を行う道に加え、当講座でしっかりと研究する、もしくは臨床と研究のバランスを取りながら研究する、などの様々な道を提示いたします。

また、臨床研究も進めており、大学院に進学しなくても学位取得が出来るように後方視的研究・前方視的研究いずれかに従事できるような環境を整えています。臨床を離れて研究に集中する時間は大切ではありますが、臨床を離れてしまうことに不安を覚える医局員にも、安心して研究活動ができ学位取得を目指すことが出来るような体制を構築しています。

将来の展望としてはそれぞれの部門での臨床研究や、臨床的課題の解決を目指す基礎研究などを推進し、さらに経験と知見を得るための海外留学を推奨しています。これにより、日本だけでなく世界の医療・医学の発展に貢献できる研究医の育成を行っていきます。

主な研究実績内容

  1. 脳損傷に対するドパミンD受容体アゴニストによる治療効果
  2. 肺葉切除後のトロポニン上昇の頻度と特徴について
  3. 敗血症時のせん妄に対するマイクログリアドパミンD受容体を介した治療効果
  4. ロボット支援前立腺切除における皮下気腫発生の予見因子
  5. 神経障害痛における脊髄前角後角でのマイクログリアの活性化様式の違い

現在の研究内容

基礎研究

  • 覚醒時興奮および術後せん妄に対する新規治療薬の開発
  • 敗血症に伴う肺傷害を予測するためのマーカーの探索

臨床研究

  • High Frequency Variability Index(HFVi)を用いた術後疼痛管理の適正化のための研究
  • 人工心肺使用による術後肺傷害を予測するための研究

海外留学

現在、海外留学先としてはカリフォルニア大学サンディエゴ校を紹介しています。基礎研究を全く経験していない人でも受け入れしてもらえますので、大学院には進学せず、留学をして研究した内容で学位を取得することも可能です。基本的な方針としては大学院を卒業した後に行くことを推奨しています。研究の基本的な知識や技術を習得した後の方が、限られた貴重な期間での海外留学をより充実したものにすることが出来るからです。

University of California, San Diego Department of Anesthesiology

主任研究者
ベロニカ・シュバイエフ

当研究室では、免疫系と神経系の相互作用を研究しています。

私たちの研究は、細胞レベルおよび分子レベルのメカニズムを解明することによって、末梢神経系(PNS)および中枢神経系(CNS)の損傷や疾患に対する新たな治療法の開発につながるという信念に基づいています。

【主な研究内容】
  • 末梢神経(PNS)の再生メカニズムの解明と中枢神経(CNS)の再生治療への応用
  • 神経障害痛の発症メカニズムの解明と新規治療法の開発
  • 神経細胞間・神経細胞と細胞外マトリックス(ECM)の相互作用の解析
  • 血液脳関門(BBB)や血液神経関門(BNB)による免疫細胞や分子の出入りに対する制御機構の解明

愛媛大学麻酔科の皆さんへ

At the Shubayev Research Laboratory, we are proud of our strong collaboration with the Department of Anesthesiology and Perioperative Medicine at Ehime University. We are united by a shared commitment to advancing discoveries in neuroregeneration, chronic pain, and translational neuroscience.

Our team combines expertise in neuroimmunology, regenerative medicine, and innovative therapeutic strategies to address neurological disorders. We believe that scientific breakthroughs are fueled by curiosity, collaboration, and the exchange of ideas across borders.

We warmly welcome students, trainees, and researchers who are eager to contribute to meaningful, impactful research in a supportive and internationally connected environment.

Together, we can push the boundaries of biomedical science, develop the next generation of personalized therapies, and improve the lives of patients worldwide.

We would be delighted to welcome you to our research community.

Shubayev研究室では、愛媛大学麻酔・周術期学講座との強固な関係を大変誇りに思っています。私たちは、神経再生、慢性疼痛、そしてトランスレーショナル・ニューロサイエンスの発展という共通の目標のもと、研究をともに推進しています。

私たちの研究室では、神経免疫学や再生医療、革新的な治療法の開発など、多様な専門分野の研究者が協力しながら、神経疾患の新たな治療法の実現を目指しています。そして、真に価値ある研究成果は、一人ひとりの探究心と、異なる分野・異なる国の研究者との活発な交流から生まれると信じています。

そのため、研究に情熱を持ち、新しいことに挑戦したい学生、大学院生、医師、研究者の皆さんを心から歓迎します。私たちの研究室には、互いに支え合い、高め合える温かい研究環境と、世界中の研究者とつながる国際的なネットワークがあります。

私たちは皆さんとともに、生命科学の新たな可能性を切り拓き、次世代の個別化医療の実現を目指し、世界中の患者さんの未来に貢献していきたいと考えています。

皆さんを私たちの研究室にお迎えできることを、心より楽しみにしています。

署名

Veronica Shubayev, M.D.
Professor & Vice Chair for Basic Research
Department of Anesthesiology | UC San Diego